
【タフティングで作ってみよう!#6】等身大猫クッション|立体的な作品づくり
こんにちは。大阪・森ノ宮でタフティングのワークショップと機材・資材の専門店を運営している Tufting studio & shop RUGMATAG(ラグマタグ)です。
タフティングの可能性は、“敷く”だけにとどまりません。工夫次第で、立体的なクッションなど作品の幅が無限に広がります。今回は、スタッフ辻(ツジ)が愛猫をモデルに等身大クッションを作った制作フローを大公開!タフティング経験者には“立体表現のアイデア”を、これから始める方には“タフティングの自由さ”を知っていただければ嬉しいです!
10 mm・16 mm・45 mmと毛足の長さ(パイル長)の異なるタフティングガンを使い分けた立体表現のコツとクッション仕上げ方法、必要な機材資材を詳しく解説。 記事内で使用している機材資材は全てRUGMATAG店頭・オンラインショップで購入できます。
タフティングで立体作品を作る魅力
タフティングといえば「ラグづくり」が定番ですが、それだけではありません。毛足(パイル長)の長さを変えたり、仕上げ方法を工夫したりすることで、立体的なクッションも作ることができます。タフティングガンを使い分けることで、凹凸や毛並みの表現にも幅が出て、作品の印象がぐっと豊かになります。
タフティングで作るクッションは、お部屋を明るく彩るインテリアになります。大切なペットやオリジナルキャラクターを等身大で作れば、世界に一つだけの特別な贈り物にすることもできます。
STEP 1|等身大クッション用のデザイン作成方法

今回のモデルは、我が家の猫です。まずは「等身大」で制作するために、体のサイズを実際に測定します。 今回は約40cmで設計しました。

今回はクッションの片面ずつをタフティングで作成しました。片方には猫の背中の模様、もう片方には星柄と、それぞれ異なるパターンを施し、この2枚を縫い合わせてリバーシブルのクッションに仕上げました。リバーシブルのクッションは、気分に合わせてデザインを楽しむことができるので、おすすめの制作方法です!
デザインのコツ:デザインは思いきってデフォルメしても大丈夫!
実物そっくりを目指す必要はありません。思い切ってシルエットや模様をシンプルにデフォルメすると、仕上げ作業がぐっと楽になりますし、完成したときに丸みのある可愛らしい形になりやすいんです。特にクッションやぬいぐるみなどの立体作品には、コロンとした丸みのあるフォルムがピッタリです!
STEP 2|布張り・下書き

土台となる基布の準備を始めましょう。今回は100%コットンのヘッシャン(タフティング用基布)を使用します。

布張りのコツ
布にたるみや歪みがあると、毛糸を打ち込みずらかったり、完成品の歪みの原因にもなります。 ハリ感を持たせ、布目を揃えて張るのがポイントです。

次に、用意したデザインをプロジェクターで基布に投影します。
実寸サイズで投影(約40cm)

投影したデザインを、マーカーペンやチャコペンなどで丁寧になぞりましょう。
STEP 3|毛糸選びのポイント

使用する毛糸の種類によって仕上がりの雰囲気や質感は大きく変わります。今回の猫クッションでは、柔らかさと混色のしやすさが特長のタフティング用アクリル毛糸 MB210を使用しました。
今回の猫クッションの制作にこの毛糸を選んだ理由は、
混色しやすく、色にこだわることができる

MB210は4〜6本取りでの使用が推奨されており、異なる色を組み合わせてミックスカラーや自然なグラデーションをつくることができます。今回は猫の毛の色を表現するため、数種類のブラウン系をミックスしました。
やわらかな質感で、触れたくなる仕上がりに

サラッと軽く、ふんわりとした柔らかさのあるアクリル素材なので、クッションやぬいぐるみなど触れる作品にぴったりです。
STEP 4|タフティングガンを使い分け、凹凸のある立体的な表現を
続いては、タフティングガンによる工程です。 今回は10mm・16mm・45mmの3種のガンを使い分けて、凹凸のある立体的な作品を作ってます。
10mmのタフティングガンでベースカラーをタフト
最初は毛足(パイル長)10mmのカットパイルタフティングガンでベースカラー(白)をタフトしていきます。裏面には少し黄みがかった白を使用し、表面との差をつけました。


毛足(パイル長)の短い部分をタフト後、トリマーで表面を整えると、最終的な仕上げ作業がしやすくなります。
16mmのタフティングガンで模様部分をタフト

次は毛足(パイル長)16mmのタフティングガンに持ち替えて、模様や輪郭部分をタフトしていきます。10mmのベース部分との高低差によって、はっきりとした凹凸が生まれ、立体的な表現になります。このような高低差によって、視覚的にも感触的にも魅力的な作品に仕上がります!
45mmのタフティングガンでしっぽ部分をタフト

最後は毛足(パイル長)45mmのタフティングガンで、もふもふなしっぽを作っていきます。このタフティングガンで作り出される長い毛足(パイル長)により、存在感のあるボリュームと柔らかさが表現されます!
STEP 5|接着・乾燥・縫製&綿詰め
次に、裏面の仕上げと縫製作業に入ります。

今回は、防ダニタイプのラグ用接着剤を使用しました。 防ダニ成分配合の接着剤を使った作品は、ペットがいる環境でも安心して使用できます。

乾燥後、3cmほど縫い代を残して輪郭を切り出し、縫い合わせます。

最後に、綿をしっかり詰めて立体感を出します。
STEP 6|表面仕上げ・完成

縫製・綿詰めが終わったら、表面の毛並みをカーペットトリマー(ラグ用バリカン)で整えていきます。

しっぽはふんわりとした質感を残したいので、カットしすぎず輪郭からはみ出た部分のみをラグ用ハサミでカットします。

しっぽ部分は別パーツとして後から取り付け。
しっぽ部分は空洞でも十分なボリュームがあるため、あえて詰めずに仕上げました。




まとめ&次のチャレンジへ
タフティングは、敷物としてのラグ以外にも毛足(パイル長)の長さの違いや組み合わせ次第で、クッションやぬいぐるみなどの立体作品も思いのまま。
今回紹介した「等身大クッション」は、愛情や瞬間の思い出を形に残せるとっておきのプロジェクト。
今回の制作では、
タフティング用アクリル毛糸 MB210を合計381g使用しました。
カラーは以下の9種類を使用し、それぞれを5本取りで使い分けました。
今後同様の立体作品に挑戦される方は、毛足(パイル長)やサイズに応じた毛糸の目安として参考にしてください。
ぜひ、あなたも“大切な愛情や瞬間の思い出”をタフティングで形にしてみませんか?
今回制作した「等身大猫クッション」の詳しい製作工程は、YouTubeでも紹介していますので、あわせてチェックしてみてください!
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
すでにタフティングを楽しんでいる方にも、これから挑戦したい方にも、この記事が制作のヒントやきっかけになれば嬉しいです!
RUGMATAGの店頭・オンラインショップでは、今回使用した毛糸・タフティングガンをはじめ、その他機材資材も全て取り扱っています。
最新のワークショップ情報や制作ヒントは、Instagram(@rugmatag)でも発信中!
ご質問や作品のシェアも大歓迎です!
次に読みたいおすすめ記事
身近なアイテムもタフティングでぐっと個性的に仕上がります。アイデアのヒントはこちら。
【タフティングでつくってみよう!#1】鍋敷き|シンプルな小物で始めよう
【タフティングでつくってみよう!#2】ノートカバー|日用品をタフティングでアレンジ
【タフティングでつくってみよう!#3】ヘアアクセサリー|おそろいやギフトにもぴったり
【タフティングでつくってみよう!#4】マット|家具にぴったりサイズの理想のマット
【タフティングでつくってみよう!#5】チェアパッド|実用性とデザインを両立