テーブルの上に並べられた白と青の毛糸。左には手芸用の小さな毛糸玉があり、中央と右にはタフティング用の大きな毛糸コーンが白と青でそれぞれ整然と配置されている。

毛糸の比較検証

こんにちは。大阪でタフティングのワークショップと機材・資材の専門店を運営しているTufting studio & shop RUGMATAG(ラグマタグ)です。

今回のブログでは、タフティング用の毛糸(アクリル・ウール)と手芸用アクリル毛糸を使用して、全く同じデザインでラグを作ると消費量・仕上がりの質感等がどのようになるかの比較をしてみました。

「仕上がりの違いがいまいちわからない」「最終的にどのくらい毛糸は消費するの?」など疑問をお持ちの方の参考になれば嬉しいです。

今回使用する毛糸は

・一般的に販売されている手芸用アクリル毛糸の並太

・当店で販売している三好敷物さんのMB210 HIGH QUALIRY ACLYRIC YARN(タフティング用のアクリル毛糸)

・RUGMATAG WOOLYARN(タフティング用ウール毛糸)

の3種類です。

 

制作前準備

今回は全て同じデザイン・同じ間隔の打ち方・同じ仕上げ方で、毛糸のみを変えて比較します。

対角線で2つの三角形に分けられた正方形。シンプルな線のみの図形で、左右対称の構図になっている。

25cm×25cmの正方形で、半分ずつカラーを変えたデザインで制作していきます。

3種類の異なる毛糸がテーブルに並べられており、各グループの重量が表示されている。左から『手芸用アクリル毛糸 232g』、中央が『タフティング用アクリル毛糸 1588g』、右が『タフティング用ウール毛糸 1739g』。白と青の毛糸がそれぞれのグループに含まれている

制作前の毛糸の重さを測っておきます。

今回手芸用アクリル毛糸とタフティング用ウール毛糸は2本取り、タフティング用アクリル毛糸は5本取りで制作します。

木製フレームに張られた布に、対角線で二等分された3つの正方形が描かれている。シンプルな線のデザインが均等に配置されている。

下書きは全て同じ25cm×25cmサイズになるように確認しながら転写しました。

 

制作

木製フレームに張られた布に青と白のタフティングでデザインが施されている。対角線で二等分された三角形の形状がいくつか描かれており、一部はまだ作業途中で隙間がある。フレームの後ろには作業をしている人物が見える。

今回の制作では、17mm設定のAK-1を使用しました。

違いが出ないよう、1台のガン・同じ打ち方で3枚とも制作しました。

制作後の毛糸消費量計量

●残った毛糸の量

3種類の異なる毛糸がテーブルに並べられており、各グループの重量が表示されている。左から『手芸用アクリル毛糸 86g』、中央が『タフティング用アクリル毛糸 1396g』、右が『タフティング用ウール毛糸 1543g』。白と青の毛糸がそれぞれのグループに含まれている。

●消費した毛糸の量

3種類の異なる毛糸がテーブルに並べられており、各グループの重量が表示されている。左から『146g』、中央が『192g』、右が『196g』。白と青の毛糸がそれぞれのグループに含まれている。

制作後の毛糸を計量し、消費量を計算するとこのような結果になりました。タフティング用の毛糸はどちらもほとんど同じくらいの消費量で、手芸用毛糸は50g程度消費量が少ないです。

仕上げ

木製フレームに張られた布に青と白の三角形模様が施されたタフティング作品。三角形が対角線で二等分されているデザインで、まだ糊つけ作業途中の部分が見られる。

今回は裏地用メッシュタフティング用バッキング剤(防ダニ成分配合) の組み合わせで裏地を仕上げました。

違いが出ないよう均一な量で塗布しました。

 

青と白の三角形模様が施された3種類のタフティング作品がテーブルに並べられている。各作品には使用された毛糸の種類と重量が表示されており、左から『タフティング用ウール毛糸 245g』、『タフティング用アクリル毛糸 230g』、『手芸用アクリル毛糸 186g』と記載されている。

 裏地を切りっぱなし加工・表面未処理の状態でのラグの重さです。

接着剤+裏地で40~50gほどプラスされました。

「青と白の三角形模様が施された3種類のタフティングサンプルがテーブルに並べられている。各サンプルには使用された毛糸の種類と重量が表示されており、左から『手芸用アクリル毛糸 174g』、『タフティング用アクリル毛糸 216g』、『タフティング用ウール毛糸 224g』と記載されている。

表面を整えて完成です。

表面をトリマーガイドを使用して全て同じ厚み(18mm)、同じサイズに整え、縁部分をトリマーで丸く仕上がるよう整えました。

仕上がり

手芸用アクリル毛糸は他の2種類に比べて軽いです。質感はやわらかく、手指で押すと沈みます。粒感はあまり見受けられません。

タフティング用アクリル毛糸は5本取りの為、粒が細かくグラデーションなどの繊細な表現に向いています。手芸用アクリル毛糸と同じ様に質感はやわらかいですが、もっちりクッション性があります。同じサイズならウール毛糸と使用量はほとんど変わりません。

タフティング用ウール毛糸はアクリル毛糸に比べて重厚感がある仕上がりになります。毛糸がしっかりしており、手指で押してもあまり沈まず、後が残りにくいです。2本取りのためグラデーションの表現には向いていませんが、カービングがはっきり出やすく、色と色の境界がはっきりします。線をくっきり出したいデザインにも向いていると言えます。

※耐久性について

今回は制作のみの比較のため耐久性は比較することができませんが、タフティング用の毛糸はどちらもラグ用に作られている為、しっかりしている印象です。手芸用に関しては踏むと型崩れしやすいように感じるため壁に飾る作品などに適していると感じました。

一般的にはウール毛糸が耐久性が優れていると言われており、高級ラグにもウールが使用されています。また、ウール毛糸は動物性の繊維であるため燃焼しにくく、温度・湿度調整にも優れている実用的な材質と言えます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はよくタフティングに使用されている毛糸の3種類を、同じデザインを制作することによって、消費量や仕上がり・質感がどのように違うかを比較してみました。制作したいラグのデザインや用途に合わせた毛糸選びに、今回の比較が参考になれば嬉しいです。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。RUGMATAGでは、今後もタフティングに関する様々な記事を投稿していく予定です。新着情報はinstagramTwitterLINE公式アカウント・メールマガジン(下記)などで定期的にお知らせしていく予定です。ご興味のある方はぜひ、SNSのフォローやLINE公式アカウントの友達追加、メールマガジンへの登録をよろしくお願い致します。

 

 

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