
タフティング作品紹介 シラト ユウさん
RUGMATAGの資材・機材を使用して、制作をされたお客さまの作品をご紹介します。
今回は居酒屋という日本的で身近なモチーフを、タフティングで表現した卒業制作「髙柴屋」。
手がけたのはシラトユウさん( @uuushirato )
空間全体に漂うあたたかさとリアリティは、見る人の記憶にそっと触れるようです。

■作品のタイトルとコンセプト
タイトル:大衆酒場 髙柴屋
僕は居酒屋が大好きだ。理由は祖母の家である。
最近僕は祖母の家を思い出す。祖母がおいしい料理を作ってくれたこと。酒の肴を好んで食べていた僕に「酒呑みになるね」と祖母が言っていたこと。心地よい居場所だったこと。
僕が通う店には祖母の家のような心地よさがあった。
もし祖母の家が居酒屋になったらそこは僕にとって至高の居酒屋だ。ここはそんな夢想の店。祖母の苗字が店名の暖簾や看板。壁に並ぶメニューは祖母の料理だ。毛糸には祖母のような優しさがあった。
いらっしゃいませ髙柴屋へ。どうぞごゆっくり。
■活動名とプロフィール
東京都出身で本名のシラト ユウという名前で活動しています。
多摩美術大学のグラフィックデザイン学科出身で3月に卒業したばかりです。春からは東京のデザイン制作会社に勤めています。
これまでは主にデザインはもちろん、写真や映像の制作もしていました。
タフティングは卒業制作で初めて触れた表現技法で、ずっと興味はあったのですがやるきっかけがなかなかありませんでした。
今回の卒業制作をきっかけに始めたので、タフティング歴としてはまだ5ヶ月くらいです。
これからもまだまだタフティングを駆使した作品制作をしていきたいと考えています!
■制作工程や工夫したポイントなど
最初は小さいものがいいかなと思いメニュー表の制作から始めました。
後から気づいたんですがタフティングで文字を表現するのは結構難しくて、調べてみたら最初にやるものとしてはおすすめしないとのこと笑。しかも文字が小さめなのでかなり難易度の高いものから始めてしまっていました。
僕は自宅で製作していたため、そこまで広いスペースを用意するのは難しかったので、暖簾や提灯、看板などの大きな作品はパーツを分けて製作して後から繋ぎ合わせる、という形で製作していました。
特にワークショップなどには行かずに動画やサイトを見て独学で制作していたので、結構失敗もありました。
提灯や看板などは展開図を考えて設計して組み立てた後、中に綿を詰めたり看板の足の部分などは自立させるために中に木材を仕込んだりしています。
子供の頃の想像しながら作っていく工作のような感じでとても楽しかったです。
僕はグラフィックデザイン学科だったのでテキスタイルの知識は全くなかったのですが、そんな僕でもかなり思い通りに制作することができました!
今後は他の素材や技法を混ぜたりして、タフティングの表現を追求していきたいと思っています。
■使用した機材・資材
最初の道具一式はrugmatagさんのスターターセットです!その他の細々した道具は他のショップさんでも購入していました。
毛糸は同じくrugmatagさんのソフトアクリル毛糸と、他のショップさんのものでも同様にアクリル毛糸を使用しています。
この作品の中で一番大きい暖簾などはデザインはシンプルな分、ベースとなる青い色面が目立つので、一色の毛糸で打ち込んでしまうと絵が持たずのっぺりとした印象になってしまうなと思い、色の異なる青の毛糸を2色混ぜて打ち込んでいきました。また、2色混ぜることによって古いお店で長年使われ続けた暖簾に出る染めムラのようなテクスチャを表現することも試みました。
それとあまり毛足が短くなりすぎるとフワフワとした優しい質感が出せないなと思ったので、あまりバリカンで刈りすぎないように気を付けました。全体を通して祖母の家のような温かくて柔らかい雰囲気を出すことを目指しました。
■今後の活動について
東京での開催ですが、4/19の土曜日に下北沢のDDD ART 苑というギャラリーで開催する「激発」というイベントでこちらの卒業制作の作品を展示させていただきます!
アートや音楽、ポップアップ、フードやドリンクまである楽しいイベントとなっています!
お近くにいらした際はぜひお立ち寄りいただけると幸いです。
「激発」
日時:2025/4/19 (土) 13:00~20:00
会場:DDD ART 苑
チケット:¥2,500
Instagram:@gekihatsu_